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お知らせ

讀賣新聞朝刊と讀賣新聞オンラインに、当院関連の記事が掲載されました 7/28-29

2021.07.31
子供の視力低下について讀賣新聞朝刊と、讀賣新聞オンラインに当院の記事が掲載されました。

「スマホ利用増 悩む学校 子供視力低下 「1日2時間」制限も」
讀賣新聞 朝刊 22面 2021年(令和3年)7月29日(木曜日)

「裸眼「1・0未満」の子供の割合が過去最悪…小学生で37%、中学生で58%」
讀賣新聞オンライン 2021/07/28 17:00
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20210728-OYT1T50394/

「スマホ利用増 悩む学校…子供視力低下 「1日2時間」制限も」
讀賣新聞オンライン 2021/07/29 05:00
https://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/kyoiku/news/20210729-OYT1T50146/

小石川医師会の理事に選任されました。

2021.06.29
6月29日、一般社団法人小石川医師会 第126回総会(定時)での第34期役員・裁定委員選任決議において、当院院長が理事に選任されました。地域の福祉増進に寄与する小石川医師会の活動・事業に、微力ではありますがお役に立てるよう尽力して参ります。今後とも皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

日本テレビ「スッキリ」で当院がまた放送されました。

2021.01.28
1月28日(木)朝の情報番組「スッキリ」(日本テレビ)の「子供の近視」というニュースの中で、当院と当院院長のインタビューが放送されました。コロナ禍の外出自粛、一斉休校、リモート授業などの影響で、近視の子供が更に増えている、という内容です。「スッキリ」でこひなた眼科が取材を受けたのは今回で3回目になります。

讀賣新聞の朝刊1面に、診察中の写真が掲載されました 12/4

2020.12.04
学童のデジタル教科書使用と近視について、讀賣新聞 朝刊1面に診察中の写真が掲載されました。
「デジタル機器の普及とともに、視力が急速に悪化する子供が増えている(11月30日、東京都文京区・こひなた眼科で)」
●健康への影響 未知数 デジタル教科書を問う[4] 讀賣新聞 朝刊 1面 2020年(令和2年)12月4日

日経BP社「日経DUAL」の記事が公開!

2020.04.08
2/27に当院院長が日経BP社「日経DUAL」の取材を受け、4/8本日「子ども眼鏡 弱視に必須、近視では慎重に」の記事が公開されました。「日経DUAL」は2013年創刊の30~40代の共働き夫婦に向けたウェブメディアで、月間訪問者数100万人以上、登録会員数20万人以上を誇ります。小児の弱視や近視・眼鏡装用などに関しての記事ですので是非ご覧下さい。

日本テレビ「スッキリ」で当院がまた放送されました。

2020.02.10
2月10日(月)情報番組「スッキリ」(日本テレビ)の「「手作り目薬」記事 失明の危険も・・・」というニュースの中で、当院と当院院長のインタビューが放送されました。手作りの点眼液は安全性に問題があり、インターネット上の情報を鵜呑みにしない様注意しましょう、という内容です。「スッキリ」でこひなた眼科が取材を受けたのは今回で2回目になります。

日本テレビ「スッキリ」で当院が放送されました。

2019.11.21
11月20日(水)情報番組「スッキリ」(日本テレビ)の「小中学生の9割が近視」というニュースの中で、当院と当院院長・患者さんの保護者の方のインタビューが放送されました。詳しくは下記をご覧ください。

こひなた眼科
今近視の割合が小学生約75%、中学生約95%にも及んでいることがわかった。近視が進行することで人によっては10センチ先を見るのが困難になる強度近視になる恐れがあるという。強度近視は目の合併症や病気になりやすいということがわかっている。病院ではここ数年子供の近視に関する相談が増加しており、多い時には1日40人が診察されているという。近視とは眼球が前後に伸びることで焦点が合わず、遠くの物が見えづらくなる状態のこと。近くを見る時間が増加したことが眼球が変形する一因だと考えられている。
https://kakaku.com/tv/channel=4/programID=77536/episodeID=1315210/

0.01%アトロピンは日本人の小児でも近視進行抑制効果がある(ATOM-J)

2019.09.14
第17回国際近視学会が9/12から東京医科歯科大学で開催されていますが、京都府立医科大学の稗田牧Dr.により、0.01%アトロピン点眼を用いた、多施設二重盲検無作為化比較試験(ATOM-J)の結果が発表されました。84名の0.01%アトロピン1回/日点眼群と、84名のプラセボ1回/日点眼コントロール群の屈折値変化を24か月で比較したところ、それぞれ-1.26D、-1.48Dと両群間に有意差(p<0.001)を認め、0.01%アトロピンは日本人の小児でも近視進行抑制効果があると発表されました。今後の論文発表やプレスリリースも注目されます。

プレスリリース:クロセチンが児童の近視進行を抑制(8/8 慶應大)

2019.08.08
クロセチンが児童の近視進行を抑制-増加する近視に対する新たなアプローチ-
2019/08/08 慶應義塾大学医学部
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/2019/8/8/28-58279/

慶應義塾大学医学部眼科学教室の坪田一男教授、栗原俊英特任准教授、鳥居秀成助教、森紀和子助教と大阪大学大学院医学系研究科眼科学教室の西田幸二教授、高静花寄附講座准教授、藤本聡子(博士課程4年)、ロート製薬株式会社らの研究グループは共同研究において、小学生69名に対し、クチナシ由来の色素成分「クロセチン」を投与するランダム化比較試験を施行し、クロセチンが小児の眼軸長伸長、屈折度数の近視化を有意に抑制することを確認しました。
本成果は、クロセチンのマウスでの近視抑制効果を示した先行研究に続き、クロセチンがヒトでも近視進行を抑制することを示した新しい知見です。今回、眼軸長が伸長する小児期における有効性を確認できたことから、クロセチン投与は小児期の近視進行を抑制することで、強度近視への進行を将来的に防ぐ新しい方法として、社会的に大きな意義があるものと考えられます。

今回の研究成果は、8月7日に学際的総合ジャーナル『Journal of Clinical Medicine』(オンライン版)に掲載されました。

●PubMed
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31394821

●Journal of Clinical Medicine [Full Text Open Access]
https://www.mdpi.com/2077-0383/8/8/1179/htm

●慶應義塾大学
https://www.keio.ac.jp/ja/press-releases/files/2019/8/8/190808-1.pdf

☆このクロセチン「ロート クリアビジョンジュニアEX」「ロート クリアビジョンジュニア」は、当院にてお求めいただけます。詳しくは院長ならびにスタッフまでお問い合わせ下さい。

近視の進行は過度な近業が原因

2019.04.23
第123回 日本眼科学会総会(4/18~21)のシンポジウム10の抄録から抜粋
稗田 牧(京都府医大)
「近視進行のメカニズムの一つは、過度な近業に伴う、調節の過剰により眼軸が機械的に引き延ばされると考えられている。過剰な調節には、調節麻痺点眼の有用性が以前より指摘されていたが、1%アトロピンを100倍に薄めても近視の進行抑制効果があるということが報告され、注目を集めている。」
このシンポジウムで、日本における0.01%アトロピン点眼(低濃度アトロピン・マイオピンⓇ)を使った、多施設二重盲検試験(ATOM-J)の解析結果が発表されるのではと期待されていましたが、口頭では「効果があった」とのお話があったものの、詳細は9月の国際近視学会になるとのアナウンスがありました。9月の学会発表、論文発表、プレスリリースが期待されます。

「眼科疾患最新の治療 2019-2021」発行!

2019.03.15
「眼科疾患最新の治療 2019-2021」南江堂 が発行されました。当院院長が小児緑内障(発達緑内障)の項目を執筆しています。ご興味のある方は院長または当院スタッフに気軽に声をお掛け下さい。

「小児の眼と遺伝性疾患」の演題名で講演を行いました。

2019.03.14
2019年3月14日、当院院長が大手製薬会社の社内研修会にて「小児の眼と遺伝性疾患」の演題名で講演を行いました。小児の視機能の発達、診療手順と屈折矯正、弱視・斜視、その他、遺伝性眼疾患についてVTRも交えての講演で、終了後の質疑応答も含め、大変充実した会になりました.

プレスリリース:クロセチンが近視進行を抑制(慶應大)

2019.01.23
近視誘導モデルにクロセチンを投与するとEGR-1発現が増加し、近視進行を抑制できることが世界で初めて確認され、論文発表されました(慶應大)。2019年1月22日
↓ クリック(英語)
s41598-018-36576-w
↓ URLをコピーペースト(日本語)
https://www.rohto.co.jp/news/release/2019/0123_01/

Eye growth is suppressed with upregulation of Egr-1.

2018.12.13
モデル動物においてEgr-1遺伝子の活性化により、眼球の成長は抑制(近視進行抑制)されると書かれた論文を御紹介します。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3898884/

Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression.

2018.10.21
Violet Light Exposure Can Be a Preventive Strategy Against Myopia Progression.                                

★クリック↑

Torii H, Kurihara T, Seko Y, Negishi K, Ohnuma K, Inaba T, Kawashima M, Jiang X, Kondo S, Miyauchi M, Miwa Y, Katada Y, Mori K, Kato K, Tsubota K, Goto H, Oda M, Hatori M, Tsubota K.

EBioMedicine. 2017 Feb;15:210-219. doi: 10.1016/j.ebiom.2016.12.007. Epub 2016 Dec 16.

PMID:28063778
Free PMC Article

Abstract
Prevalence of myopia is increasing worldwide. Outdoor activity is one of the most important environmental factors for myopia control. Here we show that violet light (VL, 360-400nm wavelength) suppresses myopia progression. First, we confirmed that VL suppressed the axial length (AL) elongation in the chick myopia model. Expression microarray analyses revealed that myopia suppressive gene EGR1 was upregulated by VL exposure. VL exposure induced significantly higher upregulation of EGR1 in chick chorioretinal tissues than blue light under the same conditions. Next, we conducted clinical research retrospectively to compare the AL elongation among myopic children who wore eyeglasses (VL blocked) and two types of contact lenses (partially VL blocked and VL transmitting). The data showed the VL transmitting contact lenses suppressed myopia progression most. These results suggest that VL is one of the important outdoor environmental factors for myopia control. Since VL is apt to be excluded from our modern society due to the excessive UV protection, VL exposure can be a preventive strategy against myopia progression.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5233810/pdf/main.pdf

「小児科臨床」増刊号 発行!

2018.10.20
小児科臨床第71巻 増刊号 よくある疾患の診かた -他科からの助言- (株式会社 日本小児医事出版社)が、10月20日に発行されました。眼科 p.2196-200(372-6) 7. 遠視・近視・屈折異常・弱視 ならびに、p.2215-7(391-3) 11. 斜視 について、院長が執筆しています。小児科専門雑誌ですが、機会がありましたらご覧下さい。以下、一部を御紹介します。

7)遠視・近視・屈折異常、弱視
こひなた眼科 藤巻拓郎
キーワード 遠視 近視 乱視 屈折異常 弱視
■視力の発達
視覚は、光覚、色覚、形態覚、動態覚、立体覚の5つの感覚から構成されているが、形態覚(形を見分ける感覚)の一部で、2点を2点として識別する能力が視力である。光覚は修正28週頃から対光反射、視覚誘発電位(visual evoked potential:VEP)で確認されはじめ、視力は出生直後の新生児で(0.02)~(0.05)程度といわれている。その後視力は急速に発達し、視覚感受性が1歳半ごろピークに達すると徐々に低くなり、3歳過ぎには正常視力の(1.0)になる、その後更に感受性は低下し、8歳以降のどこかの時点で臨界期に達する。視路に器質的異常が無い場合、視力が発達する条件としては、両眼の視線が一致していることと、両眼のピントが合っていることが重要である。・・・・・・・

11)斜視
こひなた眼科 藤巻拓郎
キーワード 偽斜視、斜位、乳児内斜視、調節性内斜視、間欠性外斜視
視覚は、光覚、色覚、形態覚、動態覚、立体覚の5つの感覚から構成されているが、このうちの立体覚は立体視とも呼ばれ、生物が進化の過程において、視覚器を左右に2つ獲得した個体の方が、生存に有利であったため受け継がれてきたと考えられている。両眼視機能には、両眼で同時に見る同時視と、左右の像を一致させる融像、更にその上位に立体視が成立するが、これら3つをWorthの三要素と呼ぶ。この両眼視機能は生後3〜4ヶ月から発達が始まり、2歳には成人レベルの80%、5歳で発達が完了する感覚である。この様に視機能が急激に発達する乳幼児期に斜視があると、両眼視機能の発達を阻害し、両眼視機能不全を引き起こす。斜視とは眼の位置が正常でない状態のことで、眼位の異常に起因する両眼視の異常が加わったものである。従って斜視治療の目標は眼位の改善である整容的治癒と、両眼視の獲得である機能的治癒となる。眼位の異常はあるが両眼視の異常がない斜位は、斜視とは異なり機能面での治療は通常行なわれない。斜視の場合、脳は優位眼の情報を選択するため、両眼視の基礎となる左右均等であるべき視力の発達に差が生じ、機能的治癒の妨げとなる。乳児内斜視の場合、立体視獲得を目的とした超早期手術が近年推奨されつつある。・・・・・

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眼科学専門書「小児眼科学」が改訂増刷されました。

2018.10.14
2015年10月に刊行された専門書「小児眼科学」が先月、改訂増刷されました。コンタクトレンズの管理について、院長が執筆しています。本書は刊行後、全国書店や眼科系学会の会場で長く売れ続けており、多くの眼科医や視能訓練士の方々に好評を得ているそうです。機会がありましたら御一読下さい。

藤巻拓郎  編集:東 範行 小児眼科学 第1版第2刷 第6章 屈折異常と眼鏡・コンタクトレンズの管理 コンタクトレンズの管理 101-5 三輪書店 2018
以下、一部ご紹介します。

Ⅳ.オルソケラトロジーの問題点
オルソケラトロジー(以下、オルソK)とは、就寝中のみ内面のカーブが緩やかなHCL装用し、角膜中央を平坦化させることで近視を矯正する方法である。内面はリバースジオメトリーと呼ばれる4種の同心円領域からデザインされている。効果は一時的なので、矯正を継続するには毎日夜間の装用を要する。「オルソケラトロジーガイドライン(第2版)」では適応年齢を原則20歳以上とし、未成年者への処方に対しては慎重処方とする、と改正された8)。小学生のCL使用率は0.2%だが、オルソKはそのうちの19.2%と年々増加している6)。つまり夜間視力の低下、角膜高次収差の増加、アカントアメーバ角膜炎などの重篤な感染症リスクが増加、就寝時装用による角膜酸素不足、角膜内皮細胞減少などが危惧される。オルソKレンズは酸素透過性が高く汚れやすい。特にベースカーブとリバースカーブの境界は涙液が貯留するtear reservoir zoneとなっておりケアが難しい。近年小児において眼軸長延長抑制効果が報告がるが9)屈折矯正の長期予後についてはなお不確定な要素があること、正常な角膜に変化を与えることなどから、慎重に適応例を選択しなければならない。

文 献
木下 茂,大橋裕一,村上 晶,他:コンタクトレンズ診療ガイドライン(第2版). 日本眼科学会雑誌 118:557-591, 2014
横山利幸:乳幼児のコンタクトレンズの処方とその注意. 日本の眼科 71:170, 2000
高橋康造,植田喜一:乳幼児に対するコンタクトレンズ. コンタクトレンズ学会誌 53:18-26, 2011
土至田宏,由井あかり:無水晶体眼へのコンタクトレンズ処方. 眼科プラクティス 27:179-183, 2009
長谷部聡:小児の近視予防 光学的治療法と視覚環境のインタラクション. 眼科 56:965-972, 2014
宇津見義一,宮浦 徹,柏井真理子,他:平成24年度学校現場でのコンタクトレンズ使用状況調査. 日本の眼科 85:346-366, 2014
日本コンタクトレンズ学会 http://www.clgakkai.jp/index.html
村上 晶,吉野健一,植田喜一,他:オルソケラトロジーガイドライン(第2版). 日本眼科学会雑誌121:936-938, 2017
大鹿哲郎,平岡孝浩:オルソケラトロジーが小児期の眼軸伸長に及ぼす影響に関する研究. 日本の眼科 84:42-50, 2013

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「小児の眼と遺伝性疾患」の講演を行いました。

2018.07.17
2018年7月17日、当院院長が大手製薬会社の社内研修会にて「小児の眼と遺伝性疾患」の演題名で講演を行いました。小児の視機能の発達、診療手順と屈折矯正、弱視・斜視、その他、遺伝性眼疾患についてVTRも交えての講演で、終了後の質疑応答も含め、大変充実した会になりました。

オクルパッドは30分×週2回が有効か(北里大)

2018.06.14
北里大学の研究によると、オクルパッドによる通院型治療は、1回1時間×週1回よりも、1回30分×週2回の方が有効である可能性が示唆されました。第74回 日本弱視斜視学会総会(7月6~7日 倉敷 岡山)の学術展示にて発表される予定です。当院におきましても今までと同様、1回30分×週2回をお勧めしています。機体には知育ソフトから元素図鑑まで、ストレージの限界まで多数のソフトをインストールしてあります。30分をフルに楽しんで頂くため、予約時間より早めにお越し下さい。

当院特集記事がドクターズファイルに掲載

2018.06.08
当院を取材した特集記事が、ドクターズファイルに掲載されました。
▶https://doctorsfile.jp/h/181160/df/1/?page=1

日本眼科学会雑誌に論文が掲載されました。

2018.05.10
名古屋市立大学眼科の安川 力先生の学術論文が、日本眼科学会雑誌の5月号に掲載されました。院長も共著者の一人で、この場をお借りして諸先生に心より御礼申し上げます。

網膜色素変性に対する9-cis-β-カロテン高含有微細藻類Dunaliella bardawil食品摂取の影響
安川 力1), 萩原 章2), 藤巻 拓郎3), 加藤 亜紀1), 村上 晶3), 山本 修一2), 小椋 祐一郎1)
1)名古屋市立大学大学院医学研究科視覚科学
2)千葉大学大学院医学研究院眼科学
3)順天堂大学大学院医学研究科眼科学

目 的:網膜色素変性の一部の病態にはレチノイドサイクルが関与していて,11-cis-レチナールの異性体である9-cis-レチナールとその前駆体9-cis-β-カロテンが,白点状眼底および網膜色素変性に有効であると報告されている.今回,我々は,我が国の網膜色素変性患者に対する9-cis-β-カロテン高含有微細藻類Dunaliella bardawil食品の効果を検討した.
対象と方法:本研究は3施設による多施設前向き研究として実施された.対象は,網膜色素変性と診断され眼底観察可能な30例59眼(男性13例,女性17例),年齢は平均値±標準偏差:56.4±14.1歳であった.Dunaliella bardawil食品を3か月間摂取し,摂取前後に矯正視力,Goldmann動的視野(GP),Humphrey静的視野(HFA),網膜電図(ERG)を測定した.GPでは,視野結果をデジタル化のうえ,V-4イソプター視野からI-4イソプターの暗点を差し引いた面積を計測した.HFAでは中心4点の平均網膜感度を,ERGではb波振幅を比較した.
結 果:視力のlogarithmic minimum angle of resolution(logMAR)値は平均0.51から0.48に有意に改善した(p=0.008).HFAによる中心4点の平均網膜感度は平均15.7 dBから16.3 dBに有意に改善した(p=0.034).GPにて測定した視野面積は,平均206,763ピクセルから220,933ピクセルに有意に拡大した(p=0.048).ERGのb波振幅は,平均63.4 μVから56.5 μVにやや低下したが有意差を認めなかった(p=0.109).
結 論:9-cis-β-カロテン高含有微細藻類Dunaliella bardawil食品の3か月投与で,網膜色素変性に対して視力,視野改善効果を示したが,有効性についてはさらなる長期的な無作為化比較試験や,原因遺伝子と視力予後との関連調査が必要である.

日本眼科学会雑誌 122: 372-378,2018

Journal of Human Geneticsに論文がアクセプトされました。

2018.04.20
国立病院機構東京医療センター 岩田 岳部長をはじめとする分子細胞生物学研究部の論文が、Journal of Human Geneticsにアクセプトされました。院長も共著者の一人で、この場をお借りして諸先生に心より御礼申し上げます。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29760528
https://www.nature.com/articles/s10038-018-0465-4

LRRTM4-C538Y novel gene mutation is associated with hereditary macular degeneration with novel dysfunction of ON-type bipolar cells.
Kawamura Y1,2, Suga A1, Fujimaki T2, Yoshitake K1, Tsunoda K3, Murakami A2, Iwata T4.
Abstract
The macula is a unique structure in higher primates, where cone and rod photoreceptors show highest density in the fovea and the surrounding area, respectively. The hereditary macular dystrophies represent a heterozygous group of rare disorders characterized by central visual loss and atrophy of the macula and surrounding retina. Here we report an atypical absence of ON-type bipolar cell response in a Japanese patient with autosomal dominant macular dystrophy (adMD). To identify a causal genetic mutation for the adMD, we performed whole-exome sequencing (WES) on four affected and four-non affected members of the family for three generations, and identified a novelp.C538Y mutation in a post-synaptic gene, LRRTM4. WES analysis revealed seven rare genetic variations in patients. We further referred to our in-house WES data from 1360 families with inherited retinal diseases, and found that only p.C538Y mutation in LRRTM4 was associated with adMD-affected patients. Combinatorial filtration using public database of single-nucleotide polymorphism frequency and genotype-phenotype annotated database identified novel mutation in atypical adMD.
J Hum Genet. 2018 May 14. doi: 10.1038/s10038-018-0465-4. [Epub ahead of print]
PMID:29760528

超低出生体重児における未熟児網膜症:東京都多施設研究

2018.04.15
東京都立大塚病院眼科部長 太刀川貴子先生の原著論文「超低出生体重児における未熟児網膜症:東京都多施設研究」が、日本眼科学会雑誌に掲載されました。当院院長も共著者の一人で、順天堂大学医学部眼科学教室の村上 晶教授、葛飾赤十字産院小児科部長の熊坂 栄先生にもご協力頂きました。太刀川先生初め諸先生にこの場をお借りしてお礼申し上げます。

超低出生体重児における未熟児網膜症:東京都多施設研究
太刀川 貴子1), 武井 正人2), 清田 眞理子3), 齋藤 雄太4), 東 範行5), 仁科 幸子5), 丸子 一朗6), 根岸 貴志7), 野田 英一郎8), 大熊 康弘9), 吉田 圭10), 藤巻 拓郎7)11), 松本 直12)13), 渡邊 恵美子14), 齋藤 誠15)
1)東京都立大塚病院眼科
2)日本赤十字社医療センター眼科
3)東京都立墨東病院眼科
4)昭和大学医学部眼科学講座
5)国立成育医療研究センター眼科
6)東京女子医科大学眼科学教室
7)順天堂大学医学部眼科学教室
8)東京都立小児総合医療センター眼科
9)東京慈恵会医科大学眼科学講座
10)日本大学医学部附属板橋病院眼科
11)葛飾赤十字産院眼科
12)東邦大学医学部眼科学講座
13)愛育病院眼科
14)帝京大学医学部眼科学講座
15)東京都立駒込病院臨床研究支援室

目 的:東京都における超低出生体重(ELBW)児の未熟児網膜症(ROP)の診断,治療状況を調査し,ROPを重症度別に群分けし,それぞれ合併症,神経学的発達について検討する.
対象と方法:2011年に東京都の周産期医療センター14施設で出生したELBW児275例のROP診断,ROPの発症,治療について眼科医に調査を行った.また周産期ネットワークデータベースをもとに生存率,合併症,3歳時の発達検査値(DQ値)について検討した.
結 果:対象の平均在胎週数(平均値±標準偏差)は26.0±2.4週,平均出生体重は722.7±163.7 gであった.生存率は88.7%(244/275),ROP発症率は82.7%,治療率は29.0%であった.1群:治療群でaggressive posterior retinopathy of prematurity(AP-ROP)およびzoneI網膜症20例(8.4%),2群:治療群でzoneII網膜症49例(20.6%),3群:ROP発症なし,および自然治癒169例(71.0%).多変量解析では,治療群(1群,2群)は治療なし群(3群)に比べ,人工換気使用日数60日以上,慢性肺疾患,脳室内出血の割合が有意に高かった.また,3歳DQ値70未満は1群71.4%,2群27.6%,3群17.5%であった.1群は2群に比べその割合が高かった(p=0.009)
結 論:ELBW児の生存率は向上し,ROP発症率,治療率は低下したが,重症ROPの発症率は高く,治療を要した症例の29.0%はAP-ROPおよびzoneI網膜症であった.これらの児は神経発達遅滞の割合が有意に高かった.

日本眼科学会雑誌 122: 103-113,2018

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